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トランスパラント・フットプリント

ちはやブルーフィルム倉庫

バリー・サウザンド

 大学生 才気ある方視点 ダメそうな子がいつもまとわりついている、いやなきもちはしないけれど、卑屈なところがカンにさわる、助けてもらわないとなんもできないのに。いろいろいっていると「でも、あたしはあなたみたいにできるわけじゃないんだもの。すごいなあ」で終わってしまう。このままではこの子がダメになってしまうと思って、突き放すけれど、何度も何度も着いてくる。連絡を絶ってみって一週間もすれば、お灸は据えられるだろうと思った。着信拒否を解除してれんらくしてみると、知らない相手につながった。

 大学で見つけたとき、知らない男と腕を組んでいた、嫉妬。帰ってからもずっと、彼女のことが気にかかる。「変わったよね、彼女」そう、独り立ちを望んでいたはずなのに。

 ある日、二人きりになれた。聞いてみた。「怒ってるの?」「怒ってないよ」「でも、ケータイ変えた」「うん、あたしが怒らせちゃったから、私、変わらなくちゃ。って、もう、あなたに頼らなくてもいいように」

「でも、あなた、今、あの男に頼ってるじゃないの」「ちがうよ? ヒロくんだけじゃないよ、トモくんにも、ゆうべえにもね、みんな少しずつ頼ってるの、ごめんね、あたしが重かったんでしょ?」

 ちがう、違うのに。

「いろんな男の子からメールがくるの、あたし、あなたがいなくて、あのときはね、あはは、今もだけど、頼れる相手ならなんでもよかったんだ」 ぜんぜん変わってなんか居なかった。彼女はこのまま、どうしようもなくなってしまうんだろう。肌が荒れたのもわかる、鞄に、前はしなかった香水ではない煙の香りがする。遠すぎて届かない、いや、彼女はもう、私に手を伸ばしたりしないんだろう。

「男の子はいいよ、信じてくれるから」

 悪気のない笑顔で、バカがはしゃいでいる。